お気に入りのニットほど、すぐ毛玉になっていませんか?
秋の初めに買った、やわらかい手ざわりのニット。最初はうれしくて、週に何度も着ていたはずです。それなのに、気づいたら袖口や脇のあたりがざらざらしている。そんな経験、ある人は多いと思います。
毛玉ができると、なんだか全体がくたびれて見えるんですよね。「ちゃんと手入れしていないからかな」「安いものを選んだからかな」と、自分を責めたくなる気持ちもわかります。
でも、毛玉はどんなに大切に着ていても、ある程度はできるものなんです。ニットはふんわり空気を含んだ編み地だからこそ、あたたかくて気持ちいい。その分、表面の繊維がこすれやすいという性質があります。
だから、あなたのせいではありません。毎日の扱い方を少し変えるだけで、毛玉の「できやすさ」は変わってきます。
毛玉ができる理由は「摩擦」
毛玉ができる仕組みは、ひと言でいうと「摩擦で表面の繊維がからまって、丸まる」ことです。着ているときにバッグや腕とこすれたり、洗濯中にほかの衣類とこすれたりすると、ニットの表面の繊維が少しずつ毛羽立ちます。その毛羽がからみ合って、小さな玉になるんです。
摩擦が起きやすいのは、主にこんな場面です。
- バッグのストラップや本体が当たる、肩・脇・腰まわり
- デスクに置く腕や、袖口
- 上着の裏地とこすれる部分
- 洗濯機の中で、ほかの衣類と一緒に回っているとき
また、素材によっても毛玉の残り方に違いがあるといわれています。一般的には、アクリルやポリエステルなど丈夫な化学繊維が混ざっていると、できた毛玉が落ちにくく、表面に残りやすい傾向があります。ウールなどの天然繊維も、こすれれば毛羽立つことはあります。
つまり、素材だけで決まるわけではないんです。「こする回数を減らす」ことが、どの素材にも共通する一番の対策になります。
今日からできる、毛玉を防ぐ工夫
ここからは、道具を新しく買わなくてもできる工夫を、洗濯・干す・着る・しまうの順に紹介します。全部やらなくても大丈夫。できそうなものから取り入れてみてください。
洗うときは「裏返す」「ネット」「弱い水流」
洗濯のときの摩擦を減らすだけで、ニットへの負担はかなり変わります。まずは洗濯表示を確認して、家で洗えるものかどうかを見ておくと安心です。
- 裏返してから洗う。表面がほかの衣類と直接こすれにくくなります。
- 洗濯ネットに入れる。たたんで、ニットの大きさに合ったネットに入れると中で動きにくくなります。
- 「おしゃれ着」「手洗い」など、弱い水流のコースを選ぶ。強くかき回さないぶん、こすれも少なめです。
- 洗剤は、おしゃれ着用の中性洗剤を使う。ニットのような衣類向けに作られているものを選ぶと安心です。
ジーンズやタオルなど、ごわっとした衣類と一緒に洗うのも避けたいところ。ニットだけでまとめて洗えば、ごわついた衣類とこすれ合う機会を減らせます。
干すときは「脱水は短め」「平干し」
脱水を長くかけると、型くずれやシワの原因にもなりやすいです。脱水は短めにして、軽く水気を切る程度にするのがおすすめです。
干すときは、形を手で整えてから平らに置く「平干し」がニット向き。ハンガーにかけると、水の重みで肩や丈が伸びやすいんです。乾燥機は、回転で摩擦が起きやすいので避けたほうが安心です。
着るときは「こすれる場所」を意識する
毛玉ができやすい場所は、毎日の動きとセットになっています。
- ショルダーバッグをかける肩を、ときどき左右で替える
- ニットの日は、ストラップが細くてなめらかなバッグや、手に持つタイプを選ぶ
- デスクワークの日は、腕を置く位置にハンカチを敷くなど、袖を直接こすらない工夫をする
- 同じニットを毎日着ず、1日着たら休ませる
休ませる日をつくると、同じ場所が毎日こすれ続けるのを避けられます。「お気に入りだから毎日」の気持ち、すごくわかるんですけどね。
しまうときは「たたむ」「詰め込まない」
ニットはハンガーにかけっぱなしより、たたんでしまうほうが形を保ちやすいです。引き出しやクローゼットにぎゅうぎゅうに詰めると、出し入れのたびにこすれてしまいます。
脱いだあとは、表面のほこりを手で軽く払ってからしまうと、次に着るときも気持ちよく着られます。少し余裕のある収納を意識してみてください。
道具に頼ると、もっと楽に
今日からできる工夫は、道具を足すとさらに続けやすくなります。無理なく習慣にしたい人は、こんなものを取り入れてみるのもいいかも。
洗濯の工夫を楽にする道具
ニットを洗うなら、目の細かい洗濯ネットがあると便利です。ニットをたたんで入れたときにすき間が少ないサイズを選ぶと、中で動きにくくなります。おしゃれ着用の洗剤も、ニット用として1本置いておくと迷わずに済みますよね。
干す工夫を楽にする道具
平干しの場所がない人には、平干しネットが役立ちます。ハンガーラックや物干しにかけて使えるタイプなら、ベランダや室内でも置き場所に困りにくいです。
着たあとのお手入れを楽にする道具
脱いだあとにさっとブラッシングすると、表面のほこりを落としながら毛並みを整えられます。洋服ブラシを玄関やクローゼットの近くに置いておくと、帰宅後のひと手間として習慣にしやすいです。
それでもできてしまった毛玉には、電動の毛玉取り器や毛玉取り用のブラシを使う方法があります。このとき、手で毛玉を引っぱってちぎるのは避けてください。周りの繊維まで引き出されて、生地が傷む原因になります。
電動の毛玉取り器を選ぶときの見方は、毛玉取り器5台を比較した記事にまとめています。
よくある質問
Q. 毛玉ができにくい素材はありますか?
素材だけで「できない」と言い切れるものはありません。一般的には、丈夫な化学繊維が混ざっていると毛玉が落ちにくく残りやすい傾向があるといわれています。気になる人は、購入前に素材表示を見ておくと選ぶときの参考になります。
Q. 手洗いと洗濯機、どちらがいいですか?
まずは洗濯表示を確認するのが一番です。洗濯機で洗える表示なら、裏返してネットに入れ、弱い水流のコースを選ぶと摩擦を減らせます。表示に合わせて、手洗いやクリーニングを選んでください。
Q. 毛玉取り器を使うと、生地が薄くなりませんか?
毛玉と一緒に表面の繊維も取れるため、かけすぎると生地が薄く感じることがあります。毛玉が目立つところだけに、やさしく当てるのが安心です。使い方は、それぞれの説明書に沿うようにしてください。
Q. もう毛玉だらけのニットは、あきらめるしかない?
毛玉を取ってから今日の工夫を始めれば、まだ気持ちよく着られることも多いです。摩擦を減らす習慣は、新しい毛玉を増やしにくくする助けになります。手で引っぱらず、道具を使って整えるのがポイントです。
まとめ
ニットの毛玉は、着るときや洗うときの「摩擦」から生まれます。裏返してネットで洗う、平らに干す、こすれる場所を意識する、ゆとりをもってしまう。どれも今日から始められることばかりです。
気づいたら、去年のニットが今年もきれいなまま。そんな冬は、クローゼットを開けるたびにちょっとうれしくなるはずです。お気に入りのニットと一緒に、ごきげんに過ごしてくださいね。
